日本と北朝鮮間の全ての諸問題を平等に解決するのは当たり前の話であり、どっちが優先順位が先か?なんて議論する事態がおかしいのである

「見解が似ている調査会」

 去る5月29日付けで、北朝鮮人権人道ネットワークとして「ストックホルム合意に基づく解決を求める声明」を発表し、その中で「政府には自らが国民に約束した現行方針に基づき、現実的で実現可能な施策を進めていくことを強く望みます。」と、ストックホルム合意に基づき、残留日本人、遺骨・墓地、日本人妻、拉致被害者、行方不明者など全ての日本人の問題の解決を求めたところである。
 これとは別に、5月7日付けで特定失踪者問題調査会代表荒木和博氏と、特定失踪者家族会会長今井英輝氏は連名で安倍総理大臣と菅官房長官あてに要請文書を提出し、その中でこう述べている。
 「4.政府・外務省・厚労省が、人権・人道のために、日本人拉致被害者・日本人妻・在朝日本人コロナウイルス感染者救出のため行動するように、関係各国・国連機関に対し強く要請」とあり、最後の方には「なお、実際の対応においては拉致被害者のみならず救出への北朝鮮人協力者、あるいは帰還事業で北朝鮮に渡った在日朝鮮人や日本人家族、戦後残留者その他北朝鮮避難民がやってくる可能性があります。それらを排除せず、少なくとも一旦は日本に移送して、その後の対応を検討されるよう希望します。」とも書いてある。
 この要請文の全ての項目に賛同することはできないものの、上記の見解には賛同したい。会として拉致問題対策本部長や拉致問題担当大臣に要請文を提出する以上、この要請文に書かれた内容は、調査会及び特定失踪者家族会の公式見解として受け止めたい。ストックホルム合意に対する温度差は我々と両団体にあるはずだが、そうした違いを認め合える、つまり、お互いの人権を尊重しあえる社会に誰もが暮らしている。今後の展開を予測できないが、見解が似ている部分については両団体と協働できる余地があると思う。

北朝鮮人権人道ネットワーク(NKHNW)
代表 陶久敏郎

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